ポル・ロジェ社は1849年に設立され、5代にわたり家族経営を続けてきたシャンパン・ハウスです。 「気品と優美」を哲学とし、格調高いシャンパーニュを造り続けています。
ぶどう本来の繊細な味わいを引き出すため、木樽を一切使用せずステンレス・タンクで発酵させます。
またルミュアージュ（動瓶）を重視し、現在のシャンパーニュでは珍しく、今でも専門の職人によって手作業で行う数少ないハウスの一つです。

地下33mに広がるセラーはエペルネで最も深く、そこでゆっくりと熟成させることによって非常に繊細で極上の泡を伴うシャンパーニュが生まれます。

2004年にはクリュッグ、ボランジェ、ルイロデレールと並んで英国訪室御用達に任命され、2011年にはウィリアム王子とキャサリン妃の結婚披露宴で、そして2018年にはハリー王子とメーガン妃の結婚披露宴でもフラッグシップキュベであるブリュット・レゼルヴが供されました。
また、元イギリス首相ウィンストン・チャーチル氏をも虜にし、自分の競走馬にポル・ロジェという名前を付けたほどポル・ロジェに惚れ込んでいました。

1999年にはクリュッグで20年以上仕事をした醸造家ドミニク・プチ氏を醸造長として迎え、2001年から2011年には醸造設備を一新。
揺るぎない一貫性と高品質を信念に、さらなる発展を遂げています。

ポル・ロジェはモンターニュ・ド・ランスのぶどう畑で有名なアイ村に住んでいました。公証人だった彼の父は病に伏しており、彼は18歳からワインの販売をはじめました。その後、家族は1851年にエペルネに移り、イギリス人の好みに合うシャンパーニュを生産し、会社は発展していきました。
1899年にポル・ロジェは肺炎で亡くなり、メゾンは彼の2人の息子が引き継ぎました。 モーリスとジョルジュの2人の息子は父に敬意を表し、家族の姓をポル・ロジェに変えました。 メゾンの確固たる地位を築き上げたのはこのモーリスとジョルジュの2人の息子たちでした。 モーリスは、広報、販売、マーケティングを担当して、メゾンの「声」でした。 ジョルジュは「鼻」であり、シャンパーニュの醸造に関わり、時にはチーフテイスターと呼ばれることもありました。

モーリスの息子の妻、オデット・ポル・ロジェはウィンストン・チャーチルの生涯にわたる友人でした。 チャーチルは1908年以来、メゾンの揺るぎない顧客でしたが、ポル・ロジェ家との交流は1944年の英国大使館の休戦日パーティーに始まりました。 チャーチルといえば葉巻と酒を好み、大変な美食家でもあり、酒の中でもシャンパン、特にポル・ロジェを愛飲していました。
力強くフル・ボディでしっかりと熟成した味わいとエレガントさをもつポル・ロジェはまさしく彼の好みでした。 政治に造詣が深く、美しいオデットはチャーチルと意気投合し、毎年彼の誕生日に在庫の尽きるまで、彼が好んだ1928年のヴィンテージをチャーチルに送り続けました。

チャーチルが死亡したとき、オデットは聖パウロ大聖堂の国葬に招待された数少ない彼の個人的な友人のリストの中の1人でした。 チャーチルの死後、彼の家族と協力して、チャーチルが好きだったスタイル、力強く熟成した味わいの「キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル」が生まれました。