ズラティ・グリツ ZLATI GRIC

ズラティ・グリツ
ZLATI GRIC

スロベニア独立と共に復活した、古代ローマ時代から続くワインの聖地「黄金の丘」より国民的人気を集めるワイナリー

ズラティ・グリツ



アブルッツォで最も注目を集めるワイナリーの一つ

ズラティ・グリツは、スロベニア独立と同年である1991年に、スロベニア東部のポポリェ(Pohorje)山脈南部に位置するスロヴェンスケ・コニツェ(Slovenske Konjice)近郊、シュカルツェ(SKALCE)という場所に設立されたワイナリーです。

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緩やかな丘陵が連なる土地に、古くは古代ローマ時代に遡るほど昔からブドウ栽培が行われ、優れたワインが造られてきました。 その美しい景観と、その地から生まれる黄金色のワインを評して、この一帯は古くから「黄金の丘=ZLATI GRIC(ズラティ・グリツ)」と呼ばれていました。ワイナリーには、その言葉がそのまま使われています。

ズラティ・グリツが評価を高めたのは、2012年のイギリスのワイン専門誌「デキャンター」のコンクールの結果がきっかけでした。当時、まだ知名度が低かったワイナリーでしたが、コンクールで見事ゴールデントロフィを受賞し、スロベニア国内はもとより、海外での認知度が一気に高まりました。その結果、現在ではスロベニア国内の300件以上のレストランが、ズラティ・グリツのワインをオンリストしている程です。

現在、ズラティ・グリツは地元を代表するワイナリーとして、ワイン生産だけでなく、ワインツーリズムにも力を入れています。 ブドウ畑のある黄金の丘陵地帯に拓かれた9ホールのゴルフコース、またブドウ畑を見渡す場所には、アパートメント(宿泊・滞在施設)とレストランもあります。顧客に「黄金の丘」と呼ばれるポドラウイエの景観、連なるブドウ畑やワイナリー内での滞在を通して、スロベニアの料理とワインを体験してもらうこと、また観光資源を増やし、地元に貢献することも目的の一つとなっています。

ワイナリー



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|| ワイン造り
設立当初より品質重視の姿勢を貫いており、ブドウ畑の平均樹齢は35年と総じて高いのが特徴です。 75ヘクタールの自社畑のうち1/4はシャルドネやピノ・グリ、ピノ・ノワールといった国際品種を栽培しています。それぞれの品種特製や、ポドラウイエのテロワール、スロベニアの人々が愛してきたスタイルを表現するため、設備や醸造方法にもこだわりが見えます。



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|| 国内外で厚く信頼される
誠実な醸造家

現在醸造家を務めるのはサーショ・トポレシェク氏。彼は子供の頃から、ズラティ・グリツの初代醸造家である父の傍らで醸造について学び続け、父の引退に伴い二代目として醸造家に就任しました。



就任後も、彼は自身の技術を高めるため、勉強を続け、時に海外に教えを請いに出かけてゆきました。 スパークリングワインの製法についてフランスで学び、さらに2020年にはピノ・ノワール種の扱いについてNZで学んできました。 彼の真摯な人柄は周囲の人からも深く信頼されており、現在、スロベニア産ワインの国内コンクールにおいて常任メンバーの一人としても活躍しています。また、ウィーン国際コンクール(オーストリア)の審査メンバーとしても毎年活躍しています。



中央ヨーロッパ最古の修道院で熟成させる、特別なスパークリングワイン



スパークリングワインは中央ヨーロッパ最古である、ジーチェ(ZICE)のカルトゥス修道院内セラーで熟成させています。
記録を紐解けば、西暦1467年には、修道院内の食堂兼宿泊所であるガストゥーシュ(GASTUZ)でワインが提供されていた記録があります。当時からワインはアーチ形天井の石造りのセラーで管理されていたそうです。石造りのセラーは、年間を通してワインに最適な温度・湿度を保つため、長期熟成させる瓶内二次発酵式(シャンパーニュ方式)のスパークリングワイン造りには最適な環境と言えます。
ズラティ・グリツでは、ここで白・ロゼのスパークリングワインを合計でおよそ60000本熟成させています。



香り高さが自慢のスティルワイン



ワインの95%は、エレガントな味わい、フレッシュであること、アロマティックであることを重視し、還元的な製法(酸素に触れることが少ない手法)でワイン製造が行われています。
還元的な製法とは、ワイン造りから瓶詰まで、工程のほぼ全てに渡って、ワインが酸素と触れないように整えた手法を指しています。 プレス後、果汁は密閉されたステンレス鋼タンク内で醸造が進行してゆき、ワインへ仕上がってゆきます。このプロセスの中で外気へ触れる、つまり酸化が進む可能性はゼロに近くなります。結果、ワインは最大限アロマが保持された状態で瓶詰されることになります。

残り5%のワインは、反対に酸化的な製造方法を取ります。こちらは特製の220リットルバリック(小樽)を使用します。樽を使うワインはリースリングやシャルドネ、ブルー・フランコニアン等です。



2400年の歴史を誇るスロベニアワイン

東ヨーロッパに位置するスロベニアは、国土面積20273平方キロメートル、周囲の国々と比べて小さな国ですが、国土は多様性に富み、北はオーストリアに接しアルプス山脈を臨み、西にはアドリア海、東にはハンガリー平原が見渡せます。
1991年に独立した若い国ですが、ワイン造りの歴史は非常に古く、ローマ人がフランスやスペインにワイン造りを持ち込んだ時期よりも前、ケルト人やイリュリア人が住んでいた時代から、すでにワイン造りが行われていたと言われています。 ワインベルトと呼ばれるブドウ栽培可能な地域の中にあり、緯度はフランスのブルゴーニュと同じで、気候や土壌にも類似点が見られます。
生産量の7割近くが白ワインである点、また単一品種ワインが多い点が特徴です。

スロベニアには3つのワイン生産地域が存在しますが、その中でさらに9つの細分化された地域があり、各場所に顕著なミクロクリマや土壌、気候が存在するため、それぞれが個性的なワインを生み出しています。 3つの地域とは、地図中で緑色で表示されているポドラウイエ (Podravje) 地域、青色で表示されている ポサウイエ (Posavje) 地域、そして赤色で表示されているプリモルスカ (Primorska) 地域の3つです。  ポドラウイエはスパークリングワインや香り高い白ワインの産地として有名です。また一部アイスワインなど甘口ワインも多く造られています。ポサウイエは複数品種をブレンドするワインが多く、白ワインやロゼワインが多く造られています。もう一つのプリモルスカはアドリア海に近く、内陸部の2産地より温暖な気候である事から、白ワインだけでなく、赤ワインも多数生産されています。

それぞれの地域の中には、統制保証原産地区 (ZGP)が複数制定されています。このZGPは、さらに3つのランクに分けられていますが、いずれもEU規格であるPDO(仏語AOP)に相当します。

ズラティ・グリツは、東部のポドラウイエに属しています。この地域はスロベニア最大のワイン産地であり、優れた白ワイン、スパークリングワイン産地として徐々に存在感を示し始めています。白ブドウの栽培が主体ですが、パンノニア平原など一部の温暖な地域では、古くから伝わるブルー・フランコニアン(ブラウフレンキッシュ)をはじめ、黒ブドウが栽培されています。

ポドラウイエ地域の中で大部分を占めるシュタイエルスカ・スロベニア地区は、ソーヴィニョン・ブランやリースリング、ピノ・グリ、トラミナーを使った高品質な白ワインで知られています。古代ローマ時代には銘醸地として記録されており、複雑な地層、大陸性気候の影響を受け、エレガントで、香り高い白ワインが現在も造られています。
また、この地域には瓶内二次発酵による伝統的なスパークリングワイン造りの歴史があります。現在もその製法・熟成庫が受け継がれており、150年以上前から変らぬ工程で受け継がれています。
また、甘口ワイン、アイスワインなどデザートワインも生産されており、近年では国際コンクールで受賞する事も多く、その品質の高さが徐々に注目を集めています。





ワイン法

他のヨーロッパ諸国と同様、スロベニアにも厳格なワイン法が存在します。
EUで原産地呼称保護ワイン(PDO/フランス語でAOP)という分類になる上位ワインは、ZGP(統制保証原産)という分類です。その下に、地理的表示保護(PGI/フランス語でIGP)という分類にあたるデジェウノ・ヴィノDezelno vino PGOが続き、最下層には、いわゆるテーブルワイン(Namizo vino)が入ります。ZGPの認定を受ける場合、その指定地区のブドウを100%使用する必要があります。

スロベニアのワイン法では、最上位にあたるZGPが2つのランクに分類されています。最上級のヴルフンスコ・ヴィノVrhunsko vino ZGP(統制保証原産)と、それに次ぐカコヴォストノ・ヴィノKakovostno vino ZGP(統制保証原産)です。

 最上級の認定を受けるためには、まず上級のKakovostno vino ZGPとなり、その上で厳しい審査をパスしなければなりません。定められた時期に収穫されたかどうかを報告すること、またスパークリングワインを除き補糖や補酸、除酸は原則禁止、濃縮果汁の添加も一切禁止といった厳格なワイン製造が義務付けられています。



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