シャトー・リヴィエール・ル・オー

シャトー・リヴィエール・ル・オー
Chateau Riviere le Haut

五大シャトー「ラフィット・ロートシルト」の元醸造責任者が情熱と匠の技で生み出した南仏“最上位クリュ”の偉大なるワイン
シャトー・リヴィエール・ル・オー

ワイン造りに人生を捧げる偉大なる醸造家エリック・ファーブル Eric FABRE

エリック・ファーブル Eric FABRE
エリック・ファーブルは、シャトー・ラフィット・ロートシルトを離れた後、自身のワイナリー設立のため、1994年から7年に渡り、忙しい日々の合間を縫って南仏の畑を訪ね歩きました。そして、ついに一つの魅力的な畑にたどり着きました。
それがシャトー・リヴィエール・ル・オーでした。
1789年に作られた城館。ブドウ畑は緩やかな斜面に広がり、見下ろしたその先には地中海の美しい海岸が一望できました。畑には魅力的な石積みの小屋(Mas)まで綺麗に残されていました。エリックは、一目でこのシャトーに魅了されました。そして、この歴史あるシャトーを受け継ぎ育ててゆくことを決心したのです。今やラングドック最高峰“クリュ”に認定されるラ・クラープの畑に、ボルドー最高峰で培った技を惜しみなく注ぎ、情熱のままにワイン造りに取り組んでいます。

醸造家エリック・ファーブルの経歴

1978年~1986年
Château Lamothe Cissac
Fabre家の所有するシャトーで栽培、醸造に従事。

1986年~1994年
Château Lafite Rothschild
醸造責任者(テクニカル・ディレクター)として、栽培、ワイン醸造に携わる。

1994年~2000年
Domaines CGR (Château La Cardonne,Château Grivière et Château Ramafort)
傘下に複数のシャトーを持つドメーヌCGRにて最高責任者(ジェネラル・ディレクター)としてグループ内全シャトーの栽培・醸造の指揮をとる。

2001年~
南フランスに理想の地を見出し移住。ChâteauRiviere le Hautでのワイン造りに取り組む。

ヴィアンネ・ファーブル Vianney FABRE
エリック・ファーブルの息子、ヴィアンネは偉大な醸造家・栽培家である父エリック・ファーブルの技を受け継ぐべく、現在シャトー・リヴィエール・ル・オーでともに仕事に励んでいます。彼はボルドーで栽培・醸造について学んだ後、パリへ出てビジネススクールで経営を学びます。
その後、有名なシャンパーニュメゾン「ボランジェ」の営業職として、5年間世界各地を飛び回る生活を送っていました。
2010年から家族のいるラ・クラープへ移り住み、シャトー・リヴィエール・ル・オーで栽培・ワイン造りに取り組んでいます。

シャトー・リヴィエール・ル・オー

野生のラベンダー、タイム、ローズマリーが生い茂る“ガリーグ”土壌。人為的には決して作れないテロワールで、200年以上、ワインを造り続けてきた銘シャトー。

シャトー・リヴィエール・ル・オーの現在の建物は1789年設立のものです。しかし、その前身は軍事目的のために築かれた、剛健な城でした。オード川の入り口という要衝に建ち、500年以上もの間、この川と周囲を通る交易路を守ってきたのです。 フランス王家がこの地を所領とした後も、常に王家直属の駐屯軍に管理させていた重要な場所でした。
フランス革命の後、駐屯軍は去りましたが、1796年になると、この城は軍務でなくワイン造りを行うシャトーとして再生しました。以後同一家族がこのシャトーを密かに守り続け、ワイン造りを行ってきたのです。
2001年、このシャトーに出会ったエリック・ファーブルは強い感銘を受け、このシャトーと、ブドウ畑に強く惹かれ、この地に自身の残りの人生を捧げることを決意しました。
年間300日以上という高い晴天率。病害虫を寄せ付けない強い風に、昼夜の寒暖差を生む地中海からの風。岩とライムストーン石灰岩のごつごつとした土壌は、ブドウが地中深く根を伸ばし易く、野生のラベンダー、タイム、ローズマリーが生い茂る“ガリーグ”土壌※は果実に豊富なアロマをもたらします。
人為的には決して作れない、このワイン造りに最適な環境は、シャトー・リヴィエール・ル・オーの原点となっています。
この土壌に実ったブドウは全て手摘みで注意深く収穫され、ブドウの選別、醸造、熟成を経て、最終的に醸造責任者であるエリック・ファーブルのアッサンブラージュ(ブレンド)によって完成します。

※ガリーグ(Garrigues)とは、ラベンダーやローズマリー等、低木の植物で形成される林の事です。主に地中海沿いの石灰質土壌に見られる風景で、強い日差しと乾燥した空気、アルカリ性土壌の元で形成されます。

南仏ラングドック最上位“クリュ”の一つ「ラ・クラープ」
このシャトーの素晴らしさを語る上で、「ラ・クラープ」の独特のテロワールを外すことはできません。
ラングドック最上位の一つとして、2015年から単独AOCの「クリュ」として認定されている「ラ・クラープ」。この地は、2000年以上前の古代ローマの時代から、ワイン産地として高く評価されていた場所でした。
ごつごつとした岩肌が露出した独特な景観、この地をユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)は非常に好んでいた事が伝えられています。ここに移り住んだローマ帝国の人々は、この土地がワイン造りに適していることを見抜き、積極的にブドウを植えました。そして幾多の苦労を超えて素晴らしいワインを生み出すことに成功したのです。こうして、ローマ帝国内でもワインの銘醸地としての地位を確立しました。当時主に栽培されていたのは現代にも残る「ブールブラン」という白ブドウでした。当時人気の高かったギリシャのマルヴォワジーと近似種として好まれたブドウ品種です(マルヴォワジーは、華やかな香りの白ワインを生み出す古典的品種です)。ローマ帝国の後も、様々な国がこの地を支配しましたが、一貫してブドウ栽培は続けられてきました。フランスの一部になったのは、ルイ13世の時代です。
以前のラングドックは、安くて美味しいワインを供給する一大産地として有名でしたが、「ラ・クラープ」は、その中で異質な存在でした。
とびぬけて優れたワインを生み出すポテンシャルを認められ、1985年から「ラングドック・ラ・クラープ」に認定されていました。
ラ・クラープの生産者たちはこの格付けに甘んじることなく、単独AOC格上げに向け、7年間奮闘してきました。その結果が報われ、とうとう2015年6月9日に、INAO(国立原産地名称研究所)より正式に単独AOCの「クリュ」として認められたのです。
ラングドックで、赤、白ともに単独のAOCを獲得したのは、ラ・クラープが初めてです。
土壌 TERRE
中新世(約2,300万年前から約500万年前までの期間) に形成された、固いライムストーン石灰岩と、ラ・クラープ全体に広がる礫質。この二つがベースとなっている非常に痩せた土壌です。崖のように荒々しい景観を示す、白っぽい土壌、泥灰質と石灰質から成るガルガス土壌は、化石を豊富に含んでおり、ミネラル分が豊かです。また、保水性もあり、年間300日が晴天と言われるこの土地で、ブドウの根に安定して水分を供給することができます。もう一つは地中海の赤土と青みがかった灰色の石灰層がまじりあって形成された土壌です。水はけもよく、ミネラルが多量に含まれており、豊かな、濃密な味わいのワインを生み出します。
気候 CLIMAT
基本的には夏は暑く乾燥した風が吹く地中海性気候です。しかし、クラープは海から吹く風により、夜は気温が下がります。この昼夜の寒暖差のおかげで、ブドウはゆっくり時間をかけて熟していきます。

栽培 VITICULTURE

自然の生態系を守りつつ品質も追求するフランス最高レベルのブドウ栽培

低収量に抑え、濃密なワインを生み出す

ブドウの品質を求めるため、1ヘクタール当たりの収量を非常に低く抑え、凝縮した果実を作っている点も特筆に値します。
畑の仕立ての違いはありますが、基本的には35ヘクトリットル/ヘクタールの低収量。これはボルドー五大シャトーに匹敵するレベルの厳しい収量制限です。低収量に抑える、といっても、それはグリーンハーヴェスト(間引き)に頼るわけではありません。エリック・ファーブルの経験則に基づき、冬の剪定、芽かきが厳格に行われ、最初からブドウの樹1本につく果実の量が少なく抑えられています。
最初から、ブドウの樹が、少ない実にたっぷり養分を送り込むように設計されているので、途中で緑の実を落とす、間引きを行うような無駄をしないで済むのです。こればかりは、深い経験無くしては成しえない、まさに匠の技と言えます。

フランス農水省公認のHVE Level3に基づく、厳格な自然栽培

フランス農水省公認のHVE※(High Value Environmental)の認証の中で、最も厳格なLevel3を取得しています。
優れたテロワールを活かすべく、ブドウ栽培は基本的に自然栽培を行います。除草剤、殺虫剤など科学薬剤は使用しません。もともと、乾燥して風の強いクラープには病気が発生しにくい土壌があります。
しかし、万一病気が発生した場合は、使用が認められている薬剤を最低限使用する可能性はあります。

※HVEとは、2011年からスタートした認証です。生物多様性、次世代へ引き継げる循環型農法をベースに制定される認証です。

ブドウ品種の選定

ボルドーのシャトー・ラフィット・ロートシルトでの経験を活かし、ワインを重層的に組み立てるべく、目的に合致するブドウ品種を栽培しています。

■ワインの骨格を作るブドウ
 赤ワイン:ムールヴェードル / 白ワイン:ブールブラン

■ワインにボリューム感、果実味を与えるブドウ
 赤ワイン:グルナッシュ / 白ワイン:グルナッシュ・ブラン

■ワインに果実味や華やかさ、スパイス、余韻など特徴をもたらすブドウ
 赤ワイン:シラー / 白ワイン:ルーサンヌ・マルサンヌ

ボルドーであれば、骨格を作るブドウ=カベルネ・ソーヴィニョン、ボリューム感を与えるブドウ=メルロ、ワインに個性・特徴を与えるブドウ=マルベック、プティ・ヴェルドこのように置き換えられます。
エリック・ファーブルは、自らの経験を元に、ラングドックの地で理想とするワインを再構築している、と言えるでしょう。

重要なブドウ品種

ラ・クラープのワイン造りの要となる、重要なブドウ品種が黒ブドウの「ムールヴェードル」と白ブドウの「ブールブラン」です。
●ムールヴェードル MOURVEDRE
我々は、「ラ・クラープ」は、ムールヴェードル種に非常に適したクリュ(産地)であると考えています。
このブドウ品種が本領を発揮すると、スパイシーで凝縮感があり、緻密なタンニンによってがっしりした構造を持った優れた赤ワインを造ることができるのです。
ラ・クラープはラングドックの中でも冷涼で、成長もゆっくり進むため、ムールヴェードルの魅力を引き出しやすいという特徴があります。それが、南の地域でありながら、非常にエレガントなタイプの赤ワインに仕上がる理由です。余韻にミントを思わせる清涼感を残すのも、このクラープの好ましい個性です。(エリック・ファーブル)
●ブールブラン BOURBOULENC
ラ・クラープはブールブランを主体とした白ワインを造る、唯一の産地です。このブドウはフレッシュな味わいとともに、ワインに構造を与えてくれます。その高い品質のおかげで、ラ・クラープは白ワインの名産地という名声がここ数年で一気に高まりました。
最初私はこの地に赤ワインを造るためにやってきました。しかし、非常にうれしい誤算をさせてくれたのが、このブールブランなのです。堅牢な構造のボディを作るポテンシャル、フレッシュな香り、その可能性を知った私は、白ワイン造りにも同じ情熱を傾ける事を決意しました。(エリック・ファーブル)

キュヴェ一覧

最上位クリュ「ラ・クラープ」の、ワンランク上のスタンダード
ラングドック最上のクリュ「ラ・クラープ」のテロワールをボルドー・グラン・ヴァンを凌駕する低収量のブドウで表現。伝統の技で丁寧に醸される、ワンランク上のスタンダード。
有名グランヴァンを超えるこだわり、理想を追求した特別なキュヴェ
高樹齢のぶどう畑から、有名グラン・ヴァンを超える低収量で生み出すワイン。このグラン・ヴァンシリーズは、エリック・ファーブルがラングドックの地で、理想の味を追求した、特別なキュヴェです。

リヴィエール・ル・オー訪問

ラングドック2つ目の訪問は、シャトー・リヴィエール・ル・オー。
こちらも住所だけを頼りに行くにはなかなか難しい場所にあります。
小さな町をいくつか超えて田舎道を進んでいき、自然豊かな風景の中にこのワイナリーが見えてきます。
到着して周りを見渡すと、海も見えるとても素敵な場所でした。

このシャトーのオーナーは、エリック・ファーブルさん。
彼は元々ボルドーの5大シャトーの、シャトー・ラフィット・ロートシルトで醸造家として働いていました。
ブドウ品種のムルヴェードルに魅せられていた彼は、このブドウの産地で有名なプロヴァンスのバンドールなどで理想的なブドウ畑を探したのちに、2000年代に入ってからラングドックのこの場所に移住しました。

ラ・クラップと言う名のこの土地は、もともと紀元前100年ほど前にフェニキア人の入植によって開拓されたそうです。
元々島だった場所で、周りよりも小高くなっています。

今回の訪問では生憎の雨で海は見えませんでしたが、晴れの日はブドウ畑の奥の方に海が広がっているのが見えます。

エリックさんと、息子のヴィアンネさんがワイナリーを見学させてくれ、奥様のクリスティーヌさんにお昼ご飯のおもてなしをしていただきました。

奥様が作られたテリーヌは、深海魚のロットと言うお魚をベースにお野菜や卵にふわりとしたクリームが添えてありました。
絶品でした!
エリックさんは、「自分が美味しいワインを作り、奥様が美味しい料理を作るから夫婦生活が長続きしているんだ」とおっしゃってました。

お食事の時にはリヴィエール・ル・オーの白、ロゼを頂きました。

食事の後はすぐ横にある醸造所へ。
醸造所自体は二階建てになっており、上の階に直接ブドウが運ばれます。
建物の裏側は入口よりも高い位置になり、裏口から直接トラックでブドウが運べるようになっています。

アルコール発酵が行われるコンクリートタンクは、80年代のクラシックな黄緑色のタイルで覆われています。
その奥にはステンレスタンクも見えます。
2階部分に直接運ばれたブドウは、無理な力をかけられることなく一階部分のタンクに運ばれます。

タンク室の横は貯蔵室になっています。 ここでは赤ワインが貯蔵され、白とロゼワインはまた別の所で貯蔵しているそうです。
樽は直接積まれておらす、黒の枠の上に置かれています。
これによって樽ごとに動かすのがスムーズになります。何列にもわたってワインが貯蔵されています。

次回は日本で会いましょうとお話しして、シャトー訪問を終えました。 次回は晴れた日に訪れて、ぜひ海の見える風景を楽しみたいものです。




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