メドック中央部、マルゴーとサンジュリアンの間のやや内陸よりにに位置するムーリス村にあるAOCムーリ・ザン・メドック(Moulis-en-Medoc)は、メドックに6つある村名AOCのひとつです。

※その他５つにはAOCサン・テステフ（Saint Estephe）、AOCポイヤック（Pauillac）、AOCサン・ジュリアン（Saint Julien)、AOCマルゴー（Margaux）、 AOCリストラック ・メドック(Listrac-Medoc)があります。

小規模なプチ・シャトーが数多く集まるこの地区の中で最高ランクの“クリュ・ブルジョワ・エクセプショナル”に格付けされ、「シャス・スプリーン」「フェラン・セギュール」「ポタンサック」と並び、AOCムーリのトップクラスとして知られているのが、この『シャトー・プジョー』です。

12世紀、イギリスの支配下のときに、ボルドーに初めて、「ブルジョワ階級」が誕生しました。彼等は、ぶどう樹やワインにかかる税金を免除されるなどの特権を享受しました。
15世紀、この地方がフランス領に戻ると、このブルジョワ層は、「剣を持ち、領主の土地を所有する特権」を維持しました。これらの富裕な商人たちは、メドックの優れたぶどう畑を購入し、「クリュ・デ・ブルジョワ」、その後は「クリュ・ブルジョワ」と名付けたのです。

プジョーのスタイルはムーリのワインの典型で、深みのあるルビー色で、タニックである。若いときには渋く、硬いこともあるので、やわらかくなり、熟成するには、通常最低でも6年から8年間寝かせる必要がある。隣のシャス＝スプリーンより熟成に時間がかかるが、非常に長生きする可能性を持っている。 プジョーは、ボルドーで新しい格付けがあれば五級とされる価値があるワインである。

～ロバート・パーカー著ボルドー第４版～