|| アルケミー・ワインズ
「アルケミーワインズ」はワインの教育・普及に最も力を入れている国イギリスの資本です。イギリスは一般的なワイン産地より北方にあり、ワイン生産にはあまり適していませんでしたが、世界で最もボルドーとのつながりが長いこと、国全体でワイン消費量が多いことから、古くからヨーロッパワインの一大消費地でした。世界中のワインが集まるマーケットでもあるので、自然と流行や最新技術の情報も集まります。

そのイギリスで、2002年に設立されたのがこのアルケミー・ワインズです。イギリス国内だけでなく、イギリスと古くから結びつきのある国々のマーケットにも精通する彼らは、スペインや南フランスといった、まだあまり知られていないワイン生産地域の生産者と協力しながら、マーケットに適したワインを供給しています。 かつては原料用のブドウばかりを作っていたスペインのカスティーリャ・ラ・マンチャ、フランスのラングドックのような土地では、素晴らしくポテンシャルのあるブドウが取れているにも関わらず、醸造技術は多くが昔ながらの方法に頼っているケースが少なくありません。

地酒レベルであれば問題ありませんが、海外向けに輸出されるような品質にするならば、最新の醸造技術なども取り入れて品質を上げる必要があります。そこで、各国にネットワークを持ち、業界の最先端の知を持つイギリスの力が活きてきます。

2003年には、カスティーリャ・ラ・マンチャのワイナリー「ボデガス・フェルナンド・カストロ」とタッグを組み、ドバイへ進出します。暑い砂漠の国の人々、その国に集まる人々の趣向を踏まえて造られたワインは瞬く間に人気を呼び、七つ星ホテルとして名高い「バージュ・アル・アラブ」をはじめ、多くの高級ホテルでグラスワインとして採用されるようになりました。

|| ボデガス・フェルナンド・カストロ
ボデガス・フェルナンド・カストロは、カスティーリャ・ラ・マンチャのSanta Cruz de Mudela （サンタ・クルス・デ・ムデーラ）という地で、1850年以来、代々ブドウ栽培からワイン造りまでを手掛ける伝統的な作り手です。
畑があるのは標高700ｍ。日照時間が長く、寒暖差が大きいため、ブドウはゆっくりと熟すことで、甘み・酸味・香りを備えた上質な果実が収穫できる土地です。
とりわけ、「フライパンの底」と呼ばれる程の夏の暑さが厳しい土地で、多くの動植物にとっては過酷な環境ですが、その分虫や病害も少なく、自然任せでブドウ栽培を行うことができます。
そして収穫されるブドウは品種の特性をしっかり表現した、凝縮感のある素晴らしい品質のワインになります。