シャトー・ル・プリューレは、もともと1897年から100年以上にわたって、ギシャール家が所有していた三つのシャトーの一つでした。

6.24haの畑は、サンテミリオンの標高高めのライムストーン石灰岩土壌と粘土質の混じる優れたテロワールをもつ丘陵地にあります。この丘はサンテミリオンの第一特別級Bのシャトー・トロット・ヴィエイユから始まり、トロロン・モンド、パヴィ・マッカンという二つの名シャトーのところまでを指します。

ライムストーンはワインにフィネス、華やかな香り、エレガンスを与え、粘土質が複雑味や重厚さ、滑らかさをワインに与えます。この二つの土壌が入り混じる部分はサンテミリオンでも選りすぐりの優れたテロワールとして有名で、売りに出せばすぐ買い手がつくような一等地でした。

2014年、このシャトーにさらなる転機が訪れました。 シャトー・ラトゥールのオーナーであり、フランス有数の実業家フランソワ・ピノー率いるアルテミス・グループが、株の一部を取得。五大シャトーのラトゥールのチームがワイン造りに合流するようになりました。 そして、2017年に、ギシャール家のポール・ゴールドシュミットの引退に伴い、100％アルテミス・グループの傘下となりました。 右岸のシャトーを運営するにあたって、ラトゥールのチームが組んだのは、ペトリュスやラフルールなど、右岸で最高峰のワインを生み出すムエックス家でした。ムエックス家管理のもと、かつてペトリュスも手掛けた名醸造家、ジャン・クロード・ベルーエをコンサルタントとして招聘。醸造にはラトゥールのチームが当たるという、夢のようなチームが誕生したのでした。

2014年にシャトー・ラトゥールのチームが参画し、目覚ましい品質向上が見られ、辛口で知られる評論家、ロバート・パーカー氏も90点以上の評価を下すようになりました。

ファーストラベルであるシャトー・ル・プリューレは、サンテミリオン・グラン・クリュ格付けで、すぐ飲んでも美味しく味わえますが、数年寝かせることで、深みのある味わいとなり、熟成させる楽しみもあります。