メゾン ポール・ダンジャン・エ・フィス
MAISON PAUL DANGIN ET FILS
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![2018](https://wsommelier.com/client_info/WSOMMELIER/img/champagne/welcome_photo_180602.jpg)
シャルドネ100%のブラン・ド・ブラン。泡の立ちあがりもよく、繊細でフレッシュな味わい。
ポール・ダンジャンのシャルドネは繊細な中にも優しさ、ボリューム感があるのが特徴。緑のニュアンスを感じる淡い金色。細やかな泡立ち。蜂蜜の香りをほのかに感じ、白い花と黄色いフルーツと香り。力強くも繊細、長い余韻とともにまろやかさを感じる緻密なバランスを感じられる1本。
これ単体で飲むと、ここまでの魅力しか味わえませんが、このシャンパーニュが真価を発揮するのはお食事と合わせた時でしょう。
王室御用達=宴席・パーティでの使用を基に作られているシャンパーニュは、単体で飲んだ時にやや強いとも感じる酸が料理と一体となることで和らぎ、食材の味わいをクローズアップし引き立てつつ食べ飽きさせない、食事の引き立て役として完璧な役割をこなします。
王室御用達とは、決して派手な味わいを意味するものではなく、用途に合わせて飲まれたときに最高のパフォーマンスを発揮すること、そして「その味わい・品質を常に安定して再現できる技術」の裏付けを意味するもの、そう感じさせてくれる1本。
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![シャンパーニュ 英国王室御用達](https://wsommelier.com/client_info/WSOMMELIER/img/champagne/pauldan06.gif)
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007でも有名なボランジェ、上級キュヴェにチャーチル首相の名前も付けるポル・ロジェ。
イギリス、特に英国王室はシャンパーニュに特別な影響力を持ちます。どのメーカーにとっても、「英国王室御用達」の栄冠は大変な誉れとなり、品質の高さを認められたということ!
そして、そんな栄誉を与っているメゾンの一つに、このポール・ダンジャンが入っています!
英国王室のために特別なブランド名 Champange J&B で出荷されています。
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![イギリス王室に選ばれたシャンパン](https://wsommelier.com/client_info/WSOMMELIER/img/champagne/pauldan08.gif)
他社は、誰もが知る大手メゾン! そんなすごい顔ぶれの中に入る唯一の小規模生産者がこのポール・ダンジャンです。 1749年から英国王室にワインやスピリッツを収める会社、「J&B社」によって推薦され、JB社のラベルで収められていますが中身は紛れもなくポール・ダンジャンの「カルト・ノワール」!
☆JB社とは 王室御用達の「ロイヤル・ワラント」に指定される業者。その証として、公に王室の紋章を使用することができます。
![英国王室のための特別なブランド](https://wsommelier.com/client_info/WSOMMELIER/img/champagne/pauldan12.gif)
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【First Class】 |
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・Finland ・Italy | ・Bolivia ・Peru | ・China ・Japan ・South Korea |
【Business Class】 |
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・France ・Germany ・Italy | ・Spain ・Swizerland ・Argentina | ・Brazil ・Chile ・Urugua |
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![メディア高評価](https://wsommelier.com/client_info/WSOMMELIER/img/champagne/pauldan010.jpg)
【雑誌記事抜粋】
驚くべきエレガンス すべてが斬新な、キュヴェ・レゼルヴ・マチュールは100%ピノノワールから造られ、カーヴで10年以上熟成させる。鶏肉などの白身肉の料理、そしてフォワグラとすばらしい相性を見せる。
もう一つの独創的なキュヴェが「ロゼ・オリジナル」だ。100%セニエで造られた、ピノノワールによるロゼ。これ1本で食前酒から前菜から肉料理などのメイン、そしてデザートまで通して使える。これらはジェルベールやギダシェットなどのワインガイド誌にも評価されている。
これらの特徴的なキュヴェのほかにも、スタンダードな、王道のラインナップもそろえる。 カルト・ノワールは100%ピノノワールで造られるキュヴェで、ボリューム感、リッチな味わい、繊細なタッチと香りが心地よい。
対となるカルト・ブランシュは100%シャルドネで造られるブラン・ド・ブラン。さわやかでフレッシュな味わい、ピュアな果実味の醸す驚くべきエレガンスを感じることができる。ダンジャン家では輸出割合は15%ほどだ。「泡の魔法」を存分に感じられる。
若い次期当主が生産に積極的に関わるので(まだ30才にもなっていません)、結果メゾン全体が 新しいことに果敢にチャレンジしていく、という雰囲気を持っているのもこのメゾンの特徴。 ポールダンジャンのラインナップは、世代を超えて受け継がれるスタンダードレンジと革新的な シャンパーニュを造るためのレンジの二つで構成されています。
![メゾンの歴史](https://wsommelier.com/client_info/WSOMMELIER/img/champagne/top_img05.jpg)
Dangin家は代々ブドウ栽培家の家系で、以前はMoet & ChandonやMummといった大手メゾンへとブドウを供給していました。
1947年、祖父Paul Dangin(1921生、14歳からブドウ栽培に従事)はCelles-Sur-Ource村の仲間とともに、ブドウをメゾンへ販売することを止め、一部のブドウを自らのシャンパーニュを創り出すために残すことを決めました。
ブドウの販売量を減らすことで収入が減少し、非常に厳しいチャレンジでしたが、この試みは成功を納めます。
もともとが大手生産者から請われる程の高い品質のブドウであったため、作られたシャンパーニュも評価が高く、次第に顧客が付いてきました。
創始者のPaul(ポール)は5人の息子と1人の娘の子宝に恵まれ、5人の息子たちとともに娘の夫Jean-Marie Faysがドメーヌに参画、その夫の名前からDangin-Faysを立ち上げました。
現在14人がドメーヌに携わっており、Paul Danginから始まったドメーヌはシャンパーニュでも最大の家族経営ドメーヌの一つとなっています。(現在54haを所有)
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![コスパ抜群のシャンパーニュ](https://wsommelier.com/client_info/WSOMMELIER/img/champagne/top_img07.jpg)
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F1の公式シャンパーニュとして有名な「マム」社やモエ・シャンドンにも請われてブドウを卸していた実績を持つダンジャン家。
その高品質なブドウから、コストパフォーマンスに優れた自家シャンパーニュを生み出します。
一流メゾンが次々と買い求めるブドウ。このブドウを作る畑こそが、ポール・ダンジャンのシャンパーニュの源です。
ドメーヌでは、リュット・レゾネの一種である「同化農法(環境に合わせて各種の対処を行う農法)」こそがビオロジックよりも適していると考え、これを採用しています。
この農法では人工合成された化学薬品は使用せず、自然由来の薬剤を必要とされる最低限の量を使用しています。
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しかし、自然由来と言えども過剰な使用がないように、まず畑やブドウの木の状態を注意深く診察します。
これは代々栽培家たるダンジャン家の特徴でもあります。
例えば、除草の時も除草剤は使いません。
土の鋤き返しという農作業を行うので、薬を使うより当然重労働です。
しかし、鋤起こした草からブドウ樹が水分とミネラル分を吸収させることができます。
同時に横に伸びる根を断ち切ることで、ブドウの木は土中深くまで根を伸ばすようになります。
地中何メートルと深く伸びる根は、シャンパーニュ地方特有の複雑な地層に分け入り、様々な層からミネラル分などを吸収することでワインに複雑さがもたらされます。
また、干魃が起こった際でも地中深くに保たれた水分でその影響を小さくすることが可能となっています。
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ジャンルにこだわらず、良いものは取り入れる、チャレンジ精神が旺盛なのもこのメゾンの特徴。
ワイン造りでなくとも、農業、有機栽培にかかわる学会や勉強会には積極的に参加し、常に良い環境づくりを研究しています。
最近の新しい成果は、畑にまく肥料を変えたことだそうです。
今使用しているのは、普通のブドウ栽培家が使う肥料でなく、海藻を使った手作りの自然素材の肥料。
ある海藻の成分が樹木の抵抗力をあげる、との研究結果を知り、早速畑で実践しているそうです。
病虫害は弱い樹から始まり広がる、と言われますが、ポール・ダンジャンの畑の木々は、幸いにも抵抗力が上がったからか、病虫害の数は激減。
13年、14年と畑が非常に元気で、とても品質の良い、糖度が高く凝縮したブドウが収穫できたそうです。
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![ポール・ダンジャン訪問](https://wsommelier.com/client_info/WSOMMELIER/img/champagne/dangin2019_01.jpg)
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シャンパーニュ地方南部のコート・ド・バールにあるポール・ダンジャンは、セル・シュール・ウルス村にあります。
ローヌ地方から車で5時間以上かけて、夕方にコート・ド・バールのトロワに到着。
生憎の雨でしたが、ジャン・バティストが初日の夜はトロワの町を案内してくれました。
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「オーガナイズは自分にまかせてくれ!」と言われた通り、ジャン・バティストに全て任せることに。
二日目は朝からワイナリー見学から始まり、その後村のお祭りに参加してきました。
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ワイナリーの敷地内には醸造所ほか、新しく建てられたボトリングと出荷用の工場や住居などがあります。
昔はダンジャン一家の全員が敷地内に住んでいたため、建物が複数あるようです。
オフィスにはダンジャン一家の70年代後半の写真がかざあってあります。
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今も家族経営のダンジャンは、場所ごとに担当が決まっています。
例えばこちらの旧式のプレス機の担当はジャン・バティストです。
収穫期になると、一度に4000kgのブドウの圧搾が4、5人がかりで行われます。
少し圧搾をしたら一度止め、下の方のブドウを上に持ってくるように混ぜることで、均等に圧搾します。
熊手でかき混ぜられますが、この作業は1分30秒くらいで完了させなければならないそうです。
絞られたブドウのジュースは重力で下のタンク室に流れこみます。
この機械は一回の圧搾ごとに洗浄され、常に綺麗な状態を保つようにされています。
木製の容器にはそれぞれに番号が振ってあり、それを合わせないと綺麗な円形にならないようになっているそうです。
圧搾機は近代的なタイプの物も2基設備されており、こちらは二人がかりで8000kgを絞る事が出来ます。
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最初のタンク室には年代物のコンクリートとステンレスタンクがあります。
ステンレスタンクが多く使用される昨今ですが、コンクリートはステンレスと違い電気を通さないため、見直されているそうです。
このワイナリーは少しずつ増築されてきたので、ここよりも奥には近代的な大きなステンレスタンクが設置されています。
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シャンパンを作る時はルミアージュと言う作業が行われます。ボトルを少しずつ回しながら、瓶は垂直になるような角度で立てられていきます。こうすることで澱引きがしやすいよう、少しずつ澱が瓶口に集められて行きいます。
ポール・ダンジャンでは今は大きいボトル以外はその作業は機械化されています。大きいパレットにまとめて入れられて、少しずつ動かされていきます。
ジャン・バティストが小さいころは、学校に行く前に時間をかけて手で回していたそうです。
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熟成する樽はブルゴーニュ製の樽で、中はゆっくりあぶられています。
色んな年代のワインがあります。
貯蔵庫は彼の従兄が管理しています。
ワインは整然と積まれていて、列ごとに承認番号が刻まれています。
何か問題があれば、この番号で追跡されます。
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ブドウ畑にも連れて行ってもらいました。
木に苔が生していますが、北側にしか生さないそうです。
写真左端のブドウの木の上にある長い管はスプリンクラーになっていて、霜被害が起こりそうなときにはウルス川の水がまかれます。
この川の水は冬でも10度以上あるので、霜の害が防げます。
この日のメインは何と言っても、村人全員参加(?)の山歩き。
村人の手作り感あふれるこの催し物は、年に一回行われます。
小高い丘に、運動会で使うようなテントが点在して建てられ、そこでシャンパンと料理がふるまわれます。
前菜からチーズまでのスタンドがあり、のんで食べて、その後歩きまわるというイベントです。
スタンドとスタンドは歩いて30分くらいかかり、ブドウ畑の合間を歩いて見学できます。
この日は生憎の天気でしたが、素晴らしい景色と自然の澄んだ空気を満喫できました。
勿論いろいろなシャンパンも楽しみました!
村の皆は全員がお互いを知っているというかんじで、ジャン・バティストもすれ違う人ほぼ全員に挨拶をしていました。
なかなか地元の行事に参加することなどないので、とてもいい経験になりました。
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今回は地元に密着したバーに行ったり行事に参加できて、本当のセル・シュール・ウルスを体験できたと思います。
素晴らしい経験をさせてくれたジャン・バティストに感謝の気持ちでいっぱいです。
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シャンパーニュのメゾン「ポール・ダンジャン」の醸造所を訪問しました。
今回は、運営全般を統括しているダンジャン氏に、今でも使用している伝統的な圧搾機やメゾンのこれまでの歴史などをご説明いただきました。
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まずはじめに伝統的な圧搾機を見せていただきました。4000kg入るという現在も使用できるものです。 今でも手動で調整しているそうです。ちなみに収穫期は、ダンジャン氏がここで圧搾の担当を行っているそうです。
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こちらでは基本的にはすべてのラインで、いとこや親せきなどの家族の誰かが担当しているそうです。
メゾンとは言っても、ほとんど手造りのような作業を行っています。
畑やブドウ栽培について、その後のシャンパーニュになるまでの醸造や検査、そして販売なども含めてこのダンジャン氏の親類関係で行われているそうです。
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さらにこちらの訪問記の下にある動画でもありますが、今回はダンジャン氏にデゴルジュマンを見せていただきました。実際に目の前で見るのは初めてでしたが、やはりかなり危険な作業ですね。
※デゴルジュマンとは、シャンパーニュ製法で必ず行う瓶内二次発酵によって生じた澱を取り除く作業のこと。
デゴルジュマン・ア・ラ・ヴォレといって、これを手作業でやるところを見せていただきました。
まずは、瓶内二次発酵後のボトルの瓶口を凍結させ溜まった澱を固めて蓋を外し、中の発泡したシャンパンの圧力により澱を外へ押し出します。ここの押し出すというのがどちらかというと「飛び出す」に近いので、とても危ないため写真のような中でその作業を行います。 昔はこれを1時間当たり500本くらいのスピードで作業をしていたそうです。
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現在ポール・ダンジャンの畑では、自然に配慮し除草剤は一切使用せず常に土造りを意識したリュット・レゾネを行いこの考え方は父や祖父の代から家族の理念として行われているそうです。 シャンパーニュ地方のコート・デ・バール地区にある畑は55haほど所有し、70%をピノ・ノワール、25%シャルドネ、残りの5%はピノ・ムニエととても希少なピノ・ブランを栽培しています。
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![ポールダンジャン訪問記](https://wsommelier.com/client_info/WSOMMELIER/img/champagne/danginfay_smp_20.png)
今回訪れた、ポール・ダンジャンの醸造所などを動画にまとめましたのでご覧ください。
一部聞き取りにくい個所がありますので、翻訳テキストをお読みいただければと思います。
聞き手:ワインショップソムリエ ネットショップ店長 田中 仕入れ担当セバスチャン