フランスのブルゴーニュ地方にあるトップ生産者の一人、ドメーヌ・ピエール・ダモワ（Domaine Pierre Damoy）。ドメーヌは1930年代にジュリアン・ダモワ氏によりジュヴレ・シャンベルタンを本拠地とし創業され、1992年からピエール・ダモワが4代目として引き継いでいます。所有する畑はグラン・クリュ（特級畑）であるシャンベルタン・クロ・ド・ベーズやシャペル・シャンベルタンといった自社畑を所有し、特に、シャンベルタン・クロ・ド・ベーズにおいては畑の3分の1以上を所有している、名門ドメーヌの中でも一線を画す偉大なドメーヌです。この畑は90年以上の古木もあり、ワインは非常に凝縮感とパワーを兼備した、ブルゴーニュ地方でも最高峰のワインの一つとされています。 樽熟成において、主にフランソワ・フレールの樽（ブルゴーニュでは最も知名度がある高品質樽メーカー、ロマネ・コンティでも使用されている）、一部はベルトミューやエルミタージュから供給されています。
ピエール・ダモワは、持続可能な農業を重視し、収穫時期や醸造過程において非常に細心の注意を払っています。ワイン造りは、伝統的な手法と現代的な感覚を組み合わせたもので、果実味とフィネス（繊細さ）を大切にしつつ、樽熟成による過剰な風味を避けるようにしています。ドメーヌ・ピエール・ダモワのワインは、その力強さと深い味わいが魅力で、特に長期熟成に耐えうるポテンシャルの高さを秘めています。

■テイスティングコメント
クロ・ド・ベーズは、ジュヴレ・シャンベルタン村にあるブルゴーニュの最も古い特級畑の一つ。ピエール・ダモワは、この特級畑の約1/3を所有しており、 これがドメーヌが唯一無二の存在として確立している理由の一つです。
クロ・ド・ベーズでは古木から収穫されるピノ・ノワールが使用され、これにより深い色合いと濃密な果実味、強いタンニンが特徴です。そして石灰質と粘土質の土壌が、ブドウにミネラル感と複雑さを与えます。この土壌がワインに長期熟成に適したストラクチャーと独特の風味をもたらしています。2017年ヴィンテージは、しっかりとした酸味と豊かな果実味が魅力で、バランスの取れたワインに仕上がっています。赤い果実、ザクロ、スパイスのニュアンス、パワフルなフレーバーがありつつ、ミネラル感が豊富。若いうちはやや硬さが残りますが、時間とともに柔らかく、複雑さが増していきます。熟成期間は長く、10年以上の熟成にも耐えるポテンシャルがあります 。