女性客は「客単価が低い?」「定着しない」の間違い

これまで様々な業態の飲⾷店で働いてきた岩崎さんだが、「それはお店のメニュー作りと、“減点にならない”ポイントを押さえているかによると思う」と⾔う。

⼥性の“共感”ネットワークってすごいんです
岩﨑

「昔までラーメン屋って男性客しかいないイメージがあったと思いますが、今はまったくそんなことない。⼀⼈でも回遊しますよ。焼き⾁だって中華だって居酒屋だって同じです。」
「SAKURAでは男性のお客様と⼥性のお客様が同じくらいですが、お会計をしてみると単価は変わりません」

柳本

「分かります。私もラーメン店巡りが趣味です・・・それにしても女性のフォロワーや口コミが多くても、男性もいらっしゃるものなんですね。男の人の方が多く食べそうだからお会計の金額は変わってきそうですが・・・」

岩﨑

「料理の見せ方、メニューで工夫をしています。ガッツリ系料理一択だと、男女の注文量で差が出そうですね。女性のお客様の場合、美味しいのは当たり前として、見た目の綺麗さ、可愛さも重要だと思いますね。あと“限定”という言葉とか。男性が好む料理、女性が好む料理を分かりやすくメニューに載せて、後は日替わりなどの限定メニューを黒板に書いて出すことで雰囲気作りをしています。」

柳本

「良いお店ですね~、それは通いたくなる・・・」

岩﨑

「一般的に、男性の方は毎日同じメニューを頼む、女性は新しいメニューに挑戦すると言われることもありますが、特に女性のお客様に足を運んでいただくためには、飽きさせない工夫と目新しい情報をお届けする手段が必要だと痛感しています。」

柳本

「なるほど!そこで必要になるのが、SNSでの発信ですね!でも、忙しい店主の方はなかなか継続が難しそうですね。」

岩﨑

「SNSは手慣れている女性スタッフに任せた方が良いかもしれません。うちのお店でもアルバイトの女性スタッフが担当していますし、そちらの方が最新の情報にも詳しいですし、プライベートでもの日課になっているので、投稿やメッセージのやり取りが苦じゃないと思います。」

柳本

「確かにそれが良いしれませんね。店主の方がSNSを始めたけど、しばらくして更新がストップってよく聞く話ですもんね。ちなみに、女性を呼び込むための仕掛けって何かあったりしますか?」

岩﨑

「そうですね・・・やっぱり女性は女性がいるお店の方が安心できるので、女性の方が利用しているというのが分かるイメージをサイトやSNSに載せる、女性の口コミを増やすというのが良いかもしれません。来店して頂けるお客様を見ても、女性がきっかけになっているケースが非常に多いと思います。」

柳本

「分かる気がします・・・!男性の気配が強いお店だと、女子は行きづらいですよね。でも女性の気配が強くても、男性が少なくなるということはあまりないかも・・・もちろん程度によると思いますが」

岩﨑

「はい、うちのお店にも、夜、男性だけでスイーツを食べにくるお客様もいらっしゃいます。“シメパフェ(お酒の後にスイーツで締める)”ってやつですね。昔は女性のお客様が多かったのですが、最近は男女、または男性だけでというお客様が増えています。」

柳本

「“スイーツ男子”ですね!六本木も多いんですね!そう聞くと、やはり女性の来店を促すことって重要ですね。女性の集客のために、他に気を付けていることってありますか?」

岩﨑

「しいて言えば・・・“減点にならない”よう気を付けている・・・ですかね?」

柳本

「それは俗にいう、男性は加点主義、女性は減点主義って理論ですか?」

岩﨑

「あ、ご存知ですよね!はい、その通りで、男性は「うまい」「安い」っていう飛び抜けたポイントがあるとそれを魅力だと思う方が多いと聞きますが、女性の場合、それだけでなくトータル的なバランスの良さに対して魅力を感じる傾向にあると思います。」

柳本

「分かります!確かに、料理がどんなに美味しくても、サービスが悪いお店ってそれだけで、自分の中でがっかりな気持ちになっちゃいます。」

岩﨑

「はい、よく飲食店はQSC(Qが「Quality」=料理の「質」、Sが「Service」=接客、Cが「Cleanliness」=店舗の衛生面)が必要と言われますが、大きく分けてこの3点は、スタッフみんなでとても強く意識しています。」

柳本

「料理は美味しくて、店長も愛想が良くて、値段もリーズナブル、だけどトイレが汚い、とか?確かにそのマイナスポイントは大きいですね。」

岩﨑

「お店のコンセプトであるならば、それは良いと思うのですが、コンセプトと外れて、日によってスタッフによってバラツキが出てしまい過ぎるのは危険な感じがしますね。お客様にとっては、大切な一度ですから。その一度の来店が、“初めの来店”となるか、“最後の来店”になるかが決まると思うと、接客や店構えにも気合が入ります。」

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